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ナイトトレインの平成・徒然草 ~心にうつるよしなしごとを書き連ねて~

《鉄道》《車》《音楽》《文学》等にまつわるよしなしごとを、つれづれなるままに書き連ねてまいります。 このBLOGに掲載された写真などを他のMediaなどに掲載される際の問い合わせ先はn.sugii@nifty.comです。 

原鉄道模型博物館訪問記 Visiting HARA Model Railway Museum

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7月10日のオープン以来テレビや新聞などでも取り上げられた効果なのか連日見学客で賑わっている横浜の「原鉄道模型博物館」へ行って来た。訪問したのは8月1日(水曜)、開館から数週間を経過して人出も落ち着いた頃と思い平日を狙っての訪問だった。

横浜駅から徒歩5分・新高島駅から徒歩2分とのことだったので、横浜駅東口から「はまみらいウォーク」経由のルートで行ってみた。途中「みなとみらい方面」の案内に従って行けば自然と原鉄道模型博物館がある横浜三井ビルディングの隣にある「日産自動車グローバル本社ビル」に行き着く。はまみらいウォークはそのまま日産本社ビルの2階につながっているので、日産本社ビルへは入らず下へ降りると目の前に横浜三井ビルディングがある。
横浜三井ビルディングに到着して原鉄道模型博物館がある2階へ上がろうとエスカレーターまで行くとエスカレータ前に既に行列が出来ている。開館時間の午前11時より1時間早い10時の時点で先着様が2名いた。その後も列は時間を追って長くなった。子供の夏休みに入ったこともあって親子連れが多かったようだ。

さて入場して、注意書きに目が止まった。なんと館内撮影禁止とある、美術館ではよくあることだが博物館の撮影禁止は珍しい。鉄道博物館と同じように撮影フリーにしてブログなどにも紹介させれば宣伝効果があって良いのにと老婆心ながら思った。今春の東京タワーでの「究極の鉄道模型展」では撮影はオーケーだったから尚のこと不思議である。
第一展示室「原模型の神髄」では当博物館のシンボルマークともなっている原氏の小学校時代に制作した第1号機関車が展示されている。東京タワーでも展示されていたモデルであるが、とても小学生が作ったとは信じ難い出来でその後の原氏の鉄道模型での活躍ぶりを暗示させるモデルでもある。釣り掛け駆動がほとんどの電気機関車にあっては珍しいブッフリ式駆動装置を持つスイス国鉄Ae4/7形もその駆動装置を模型で再現して展示されている。あと実物ではお目にかかれない「或る列車」が模型で再現されて展示されていて興味深い。
「或る列車」とは明治末期に九州鉄道がアメリカから輸入した豪華客車5両のことである。発注した客車がアメリカから到着した時には既に注文主の九州鉄道は国有化されて存在せず、一度も本来の目的のための列車として走ることなく消えていったことからファンの間で「或る列車」と呼ばれている。私がこの列車を知ることになったのは機芸出版社刊『陸蒸気からひかりまで』に片野正巳氏のペン画で紹介された九州154(国有化後8550形)が牽くブオロ1(2等客車)+ブオイ1(1等客車)+ブオシ1(食堂車)+ブオネ1(寝台車)+ブトク1(展望車)の木造ダブルルーフ・オール3軸ボギー・半円飾り窓付きの5両編成の図版である。ちなみに筆者にとってはこの本は鉄道のバイブルみたいなもので、この本によって知り得た車両や列車は枚挙に暇がない。高校の授業の合間にこっそりとノートに片野氏のまねをして好きな車両をペンで描いたものだったが、絵心の無い私には人には見せられないペン画しか書けなかった。
続いて第二展示室には「語る模型」ということで展示テーマ(力持ち機関車物語・高速機関車物語・各国旅列車物語など)ごとに模型が分類されて展示されており、模型を通じて歴史を感じてもらうしかけになっている。
第三展示室「ビンテージ・コレクション」では、原氏が収集した1番切符のレプリカや希少な鉄道玩具が展示されている。中でも注目に値するのは原氏がオークションで競り落として入手したという「ヴォパタールの懸垂電車模型」、原氏は幼少の時にこの模型の日本製のイミテーションを所有していたが震災で失い、本物をオークションで競り落として入手した経緯がある。大変コンディションの良い模型らしくて、入手後も他の博物館から譲って欲しいとの要請があったほどである。
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続いてパサージュには、1番ゲージやOゲージの車両がメインの原氏には珍しいHOゲージの車両の展示コーナーがあり、その横の多目的ルームでは企画展やビデオの上映などが行われている。開館特別企画として原氏の秘宝「FSE626展」が開催されていた。
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以下は企画展示の案内板からの説明の引用である。

この模型はBreda社製の1928年イタリア国鉄の縮尺約1/32の電気機関車で、世界に類を見ないレベルまで忠実に実車を再現したものです。全体の組み立ても、実車と同様に組枠を作って、それに屋根、側面、端面を結合する作り方になっています。材料は洋銀。ハンダ付けは一切なく、全部リベットとビスで製作されています。外部に面した開口部はすべて開閉でき、しかも、内側にはレバーによる開閉装置がついています。各部品はすべて実物と同じ構造の工作が施されています。例えば、本物と同じく、運転室内の手動制御機のハンドルを廻すと鎖が巻き上げられて、各台車のブレーキ装置が全部作動してブレーキがかかります。また、前後の突起部の中には、空気圧縮機、モーター冷却送風機、電動発電機を内蔵しているなど、忠実に実車を再現しました。パンタグラフだけでも650個の部品、全部で9000の部品から成るこの作品は、機能的な素晴らしさだけでなく、美術工芸品のような美しさを誇っています。

続いての部屋が「原鉄道模型博物館」の一番の見せ場である「いちばんテツモパーク」。一般公開されている一番ゲージの室内ジオラマとしては世界最大級である。普段鉄道博物館等で見慣れているHOゲージのレイアウトとはそのスケールにおいて数倍上をいくもので圧倒される。原氏こだわりの、鉄のレール・鉄の車輪・架線集電・惰力走行・揺れ枕などをここでは見る事ができる。
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「いちばんテツモパーク」の企画・制作・走行運営は㈱天賞堂エムエス、監修は原信太郎氏の手によってなされており、シナリーやストラクチャーの出来は素晴らしい。こだわりのレールは1m長の鉄製であり、線路の締結は本物と同くビスとナットを使う方式である。
走行する車両はすべてが原氏の自作モデルというわけではなく一般市販品も使われている、一般市販車両でも鉄製車輪が使われているものがあるとのことなので、原氏自作モデルが走ってない時でも鉄製レール。鉄製車輪のジョイントを刻む音を楽しむことが出来る。道床に撒かれているバラストはHOのレイアウトの手法と同じで基本的な道床が作られた後に手で撒いて表面だけ覆う形のものであるが、見た目には本物のように見えるしバラストによる消音効果もあるのでジョイントを刻む音のリアル感にも貢献しているようだ。
運転装置は基本的にはアナログなもので、将来を見越してデジタルの準備はなされているとのことだった。
パワーパックはアナログでトランジスター式ではないので、電子式の超スロー運転が出来ないために、駅からの出発時にやや唐突に発車する光景が見られて、リアル感という点で問題があると感じた。

レイアウトのシナリーやストラクチャーにはウェザリングが施されていて自然な感じが良く出ていたが、バラストでも実物想定でブレーキを必要とする辺りに、制輪子の粉で錆びた表現したり、非電化区間とヤード内には、部分的に油の黒ずみを入れてはあるとのことで、さすが鉄道模型の老舗「天賞堂」の企画・制作力がいかんなく発揮されているようである。

私として大いに楽しめた「いちばんテツモパーク」であるが、この日一番多く見学に来ていた親子連れの中には子供から「新幹線はいつ走るの?」との質問が出されて親が困っていた場面を見て、鉄道ファンや鉄道模型ファンではない一般客をリピーターとして取り込むためには課題があることも感じさせられた。

本記事の作成にあたってはパンフレットやホームページの説明を参考にさせていただくと共に、写真撮影が出来なかったのでパンフレットやホームページの写真をコピーして使用させていただいたことをお断りしておきます。
また上記記事の作成に際して大変お世話になった方がいます。館内での私の質問に丁寧にお答えをいただいた原鉄道模型博物館テクニカルマネジャーの六角昭氏には誌上を借りてお礼を申し上げます。
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  1. 2012/08/04(土) 12:22:34|
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Author:nighttrain999
目黒区の都立大学で産湯を使い、長じて多摩ニュータウンに移り住んでン十年の”おじさん”です。サラリーマン渡世を無事に勤め上げて第二の人生を謳歌しております。
多彩な趣味のお陰で時間が足りなくて、とても仕事をしている暇がないという次第。
興味のあるものは: 鉄道・車・オーディオ・カメラ・地図・文学・歴史・音楽(特にJAZZ)・英国
画像使用の問い合わせ先:n.sugii@nifty.com

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